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【Q&A】着物を借りるということは・・・

知り合いから着物を借りたときの注意点とは

七五三・振袖・・・卒業式の袴・・・とレンタル大流行の時代。レンタル代もバカにならない・・・と友人や親戚から着物を借りる方もいらっしゃると聞きます。
 
先日は、お客様から伺った話から、これは記しておかなければ・・・と思いブログにしました。

それは、借りた着物を着せていただいた所で脱いだあとのこと。

着物を借りた方に携帯で

「お借りした着物、どうしましょうか・・・」
「取りに伺いますよ」
「あっそれならここに置いておきますね」

皆さんは、どう思いますか?

呉服屋・街のレンタル屋さんにて着物を借りた場合、全く気にすることなく(とは語弊がありますが)雨が降っても、シミを付けても、そのまま返却が常。

「あ~あ、シミ付けちゃった!」と思ってもレンタル料を支払っているのですから、その分も料金の内となっているはず。

しかし・・・です。

親戚や友人から借りた場合は違います。

着物の善し悪しや値段にかかわらず、子供や孫のために購入した着物。
お祝いのために用意したものですから、その思いがあります。
お知り合いから借りるということは、その思いも含めて・・・だと私は考えます。

だから、お金ではなく、借りた方に気持ちでお返しすることがマナー。

シミを付けていないと思っていてもお手入れ(汗抜きなど)をしてお返しする。
それもマナーのひとつではないでしょうか。

もしお洋服だったら、どうでしょう・・・
クリーニングをしてお返しすると思うのです。

着物のお手入れが判らなかったら、着物のことを知っている方や、ご近所の呉服屋さんにお尋ねください。

以前、安くすむから・・・と思い、安易に借りた振袖が、汗で色が流れてしまい、悉皆やさんに相談された話しを聞きました。その振袖は、色留めがきちんとされていなかったことが原因なのですが、持ち主の方のときには何も問題が起きなかったため、弁償問題にまで発展してしまった・・・と聞いています。

着物に限らずですが、貸し借りは友人や親戚と信頼関係のもとに成り立つものです。

ご厚意は、大切にしてほしい・・・着物を扱う者として、ちょっと淋しくて・・・ついつい書いてしまいました。

大事に受け継がれてきた着物です。

お借りになるときは、その思いを大切にして下さいね。

わからないときには、何時でもご相談下さい。

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。