33回忌を着物で

平成になってからの祖父の33回忌の法要・・・

祖父の時代からお付き合いのあるお坊さんに来ていただき、お経をあげていただきました~

33回忌なので私は、墨流しの着物に黒共の帯。

丸や呉服店



着物には縫い紋をつけています・・・

丸や呉服店


母と妹は、江戸小紋に黒共・・・

丸や呉服店


祖父が亡くなった昭和55年のとき、叔母たちは色無地でもピンクなどの暖色系を着てましたが、何時からか、不祝儀には寒色系を着るようになりました・・・

33回忌ともなると、色無地に拘ることなく、地味目なお着物であればよいかと思います。

服装は、故人を偲ぶ心のあらわれ・・・
33年以上経っても、祖父のことはずっと心に思ってきました。

その日は、すでに、父も父の兄弟も亡くなったり、日本から遠く離れていたり・・・で、淋しくなってしまいましたが、昔の写真を見ながら、祖父を偲びました・・・

明治33年、1900年生まれの祖父・・・丸やの創業者である祖父は、着物姿がステキなおじいさん。
彫刻を趣味としていた祖父は、寿100選を2対、それ以外にもたくさんの彫刻を残してくれています。

また、祖父の残してくれた追記録などを目にしていると今でも学ぶことがいっぱいあります。
写真は思い出のひとつ・・・明治のことを知る人も少なくなってきてますが、先祖を知ることも先祖のことを伝えることも大切なんだと改めて感じた一日でした。

今年は、創業95年を迎え、11月には、祖父が残してくれた裂布や祖父の思いを展示させていただいたこともあり、祖父を思い出す機会が多い年でした。

これからも祖父の着物に対する思いを大切に、100年に向かって歩んでいきたいと思います。

丸や呉服店

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。