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【創業100周年記念展】染めの高孝

染めの高孝とは・・・

【染の高孝:江戸の粋と染めの美を追求する工房】

東京都新宿区、高田馬場の神田川沿いに工房を構える「染の高孝」は、日本古来の染色技法を駆使し、個性豊かな着物や帯を制作している工房です。その作品は、東京手描友禅、一珍染、江戸更紗、墨流し染といった多彩な技法によって生み出され、江戸の粋を現代に伝えています。都心にありながら職人の静かな手仕事が息づく場所です。

 

【高橋孝之:染めの美を極める伝統工芸士】

「染の高孝」の当主、高橋孝之先生は、東京都伝統工芸士に認定された染めの匠。18歳で引き染め職人だった父の工房に入り、26歳で独立し「染の高孝」を立ち上げました。長年にわたり東京手描友禅をはじめとする染色技法を探求し、2002年には東京都伝統工芸士として認定。現在も染色文化の発展に尽力しています。

高橋先生の作品には、一反12メートルもの白生地に下書きをせず、正確無比な線を描き出す「千筋」や「万筋」のような繊細な柄が特徴的です。その正確さと美しさは、まさに匠の技と呼ぶにふさわしいものです。

 

【墨流し染:偶然と必然が織りなす唯一無二の模様】

高橋先生が特に魅了されているのが「墨流し染」と呼ばれる技法です。この技法は、水面に流した染料が生み出す模様を絹地に写し取るもので、偶然と必然が交差する独特の美しさを持っています。職人の経験と感性によって水面に動きをつけ、そこから生まれる予測不能な模様には、染めた当人でさえ驚かされることがあるといいます。高橋先生はこの技法を活かし、他にはない一点物の作品を生み出しています。

 

【染色技法の多彩さと家族の伝統】

高橋家は代々染めに携わり、父は引き染め、弟は型染めを手掛けています。その中で高橋先生は東京手描友禅や墨流し、一珍染といった技法を探求し、家族の伝統と新たな表現を融合させています。それぞれの染め技法が織り成す独自の美しさが、高橋先生の作品に反映され、誰も真似できない新しい世界を生み出しています。

 

【伝統と革新が織りなす美の世界】

「染の高孝」の作品は、江戸の粋を現代に息づかせると同時に、伝統を守りながらも新たな挑戦を続けています。その美しい模様と染め技術は、国内外で高く評価され、多くの人々を魅了しています。唯一無二の染めの美しさをまとい、特別なひとときを味わってみてはいかがでしょうか。

ぜひ「染の高孝」の魅力を直に感じてみてください。高橋先生の染めが生み出す世界は、まさに芸術そのもの。この機会に触れていただけたら幸いです。

この記事を書いた人

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谷 加奈子

丸や呉服店 代表

東京都出身。 大学卒業後、大手メーカーのSEとして就職。 1995年、東京・大田区西蒲田に店を構える1926年創業の「丸や呉服店」の三代目として 家業に入る。2016年、着物をファッションだけではなく、もっと広い意味で伝えたく、「表に立つ人を輝かせる」という想いを載せて一般社団法人「着物道」を設立。
代々受け継がれてきたノウハウを生かして 「自分に似合う着物がわからない・・・」と いう悩みや「キレイに着るコツ」 など、着物 雑誌「七緒」「きものサロン」を始め、新聞や テレビ・ラジオなど多岐にわたって「着物生活」 の専門家として活躍中。